Solution

デジタル時代の文書情報管理に必要な重要機能

かつてないほどの文書情報管理への要求事項の変化に日本企業はどう立ち向かえばよいのか。Alfrescoによる解決方法を解説します。

コンテンツの取り巻く環境の変化

市場ニーズの変化

 コンテンツの取り巻く環境は大きく変化しています。大きな変化によって2017年に「ECMは死んだ」とガートナー社より発表がされました。

 その理由のひとつは単一の保存先(リポジトリ)で管理することを主としたECMでは完成されたドキュメントは管理できても、コラボレーションツールにような企業や組織同士、チーム同士やメンバー同士が共同作業によってドキュメントの作成や共有・活用するという目的には機能的に不十分と判断されたのが理由です。

 もうひとつの大きな理由は、普段利用するOfficeツールなどに標準でオンラインストレージ機能が含まれ、意図せずに保存されたり、組織や企業を横断した業務プロセスでは、タスク毎に保存先(リポジトリ)が異なるなど、複数の保存先が生まれてしまうというケースもあります。このようなビジネス要求の変化によって、従来の1つのリポジトリだけを管理すればよいというECMでは応えられなくなったというのが背景です。

組織に求められる変化

 急激な変化に対応できる組織として「有機的な組織」への対応が求められていますが、日本の多くの企業は「機械的な組織」で運営されていることは言うまでもありません。

 少人数のチーム内だけで利用するのであれば一定の成果はでるかもしれませんが、組織的に活動する日本企業の組織に適合させるには大きな壁がでてきます。

アクセス権限の複雑化

コラボレーションツールの導入により、組織だけの留まらず外部企業も含めた横断的な業務プロセスや共同作業が盛んに行われるようになりました。その一方で共有すべきでない情報が安易に共有されてしまったり、安易にチャンネルやコラボレーションサイトにアクセス権限を許可してしまったりセキュリティ統制が困難になってきていることも変化のひとつです。

情報の保存先(リポジトリ)の多様化

 「情報の保存先の多様化」はグローバルでも大きな課題となっています。個人で作成したファイルはパソコンのディスクに保存されるだけだった時代から、現在は、それだけではなくOffice365やGoogleドライブに格納され、承認ワークフローにより承認システムにファイルが保存され、SalesforceやServiceNow、SAPなどの業務アプリケーションにも保存され、Teams、Slack、Boxなどのコラボレーションツールにも保存される。このように情報が多岐に渡って保存されるためファイルや文書情報の管理が難しくなっています。

この部分は改正後の電子帳簿保存法の対応にも影響し、早期の解決が求められる課題となっています。

課題・問題

情報の取り扱いを個人・チーム・組織に分けること

前述の組織の課題に対して、グローバルではコンテンツ・コラボレーション・プラットフォーム(CCP)とコンテンツ・サービス・プラットフォーム(CSP)に分けて、利用目的を3つに分けて管理することが進んでいます。

CCP領域は「有機的組織の要求事項」、CSP領域は「機械的組織の要求事項」に対応させれば、現在の日本企業のピラミッド型の機械的組織であっても有機的な活動が行えるようになると考えています。

文書情報ライフサイクル管理からみた個人・チーム・組織について

個人・チーム・組織の用途で考えれば、保有すべきファイルや文書情報は変わります。

個人の情報をチーム利用に昇格させるには、その情報が正しい情報であり、チームメンバーによって有益な情報であるかを判断しなければなりません。組織においては法令や規定によって保存・保管がされることが求められます。これらの判断はレビューと承認によって、共有先を選択(アクセス権限の付与)が行われるのが望ましいです。

複数の保存先(リポジトリ)への対応

現在、ひとつの企業が利用するソフトウェアは平均1,100種類もあると言われていますが、そのソフトウェア間は、すべて連携されているわけではありません。そのため情報の受け渡しは人的なコピー&ペーストなどで行われるケースが多く、ファイルや文書情報においては、受け渡しごとにダウンロード(複製)とアップロード(保存)が繰り返し行われます。これにより、パソコンのローカルディスクやBox、Googleドライブなどに同じようなファイルが増加してしまうため検索して情報を入手するのにも時間がかかってしまいます。個人ごとのやり方で情報整理したところでチームや組織で利活用するには、情報の保存先や命名規則などガイドラインを定めないといけませんが、それも人的な方法となってしまいミスも発生してしまいます。

解決方法

個人・チーム・組織の単位で文書情報を管理する

Alfresco Content Servicesには、個人で利用する「個人サイト」とチームで共同作業する「チームサイト」の機能があります。

個人サイトは、アイデアやメモ、外部から収集した情報や個人的な作成途中のファイルを保存したり、自分のタスクやワークフローからの割り当てや自分がアクセスできるチームのサイトなどを確認ができます。

チームサイトは、公開、条件付き公開、非公開という種別で設定され、さらにサイトを利用できるユーザーのアクセス権限を設定ができます。

組織単位の管理を行う場合は、アスペクトという属性に「法令遵守」「バージョン管理対象」などワークフローやフォルダルールによってファイルや文書情報を組織管理対象として設定ができます。

フォルダルールを活用したワークフロー機能・自動化機能

個人からチームへ昇格、チームから組織へ昇格するためにはワークフロー機能を使うと便利です。Alfresco Content Servicesにも簡易的なワークフロー機能があり、単純なワークフローの場合はAlfresco Content Servicesのみで対応可能です。

フォルダへのファイルや文書情報の保存、編集、削除(移動)によって実行アクションを設定することができます。(フォルダルール機能)

複数の保存先を統合管理できるフェデレーション機能

Alfresco Federation Servicesと組み合わせれば、60種類以上のデジタル文書の保存先と連携し、Alfresco Content Servicesで統合管理できます。物理ファイルやコンテンツを双方向で同期したりプロパティやメタデータのみ同期したりすることが可能です。

業務プロセスにおいて、常に単一の保存先にデジタル情報を保存することは困難です。そのため分散された保存先のデジタル情報を発見するには時間がかかってしまい生産性を悪化させてしまいます。

Alfresco Federation Servicesにより、分散された保存先でも横断検索して目的の情報に最短距離でたどり着けます。

かつてないほどの文書情報管理への変革

過去から多くの日本企業はファイルサーバーで情報管理を行い、現在においてもオンプレミス環境のファイルサーバーがクラウド環境に置き換わったような用途でオンラインストレージを利用されるケースがみられます。

SlackやTeamsなどのコラボレーションツールで素早い情報伝達はできるようになったものの、最終的には文書として全容が報告され証拠やナレッジとして継承されます。

電子帳簿保存法などの『法令対応』、新しい働き方・生産性の向上を目的とした『文書管理・ナレッジ管理』、クラウドサービスの乱立など、情報管理への要求事項はかつてない程になっています。

Alfrescoは、デジタル情報管理の共通プラットフォームとして、さまざまな課題に対応します。


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