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保険金請求管理と文書情報管理の統合が必要になった理由
レガシーな保険業務システムの課題と、現在(いま)も将来(これから)の保険金請求業務の効率化についてデジタル文書情報管理の視点で説明します。
保険金請求管理と文書情報管理の統合が必要になった理由
保険業界を取り巻く環境は急激に変化していることはご承知かと思います。
簡単に説明すると、ハードウェア時代からソフトウェア時代に変化し、日常生活にソフトウェアが深く関わっていることや、通信技術などの発達によって保険金請求時の根拠となるデータが大容量になってきています。将来的に都市全体のスマートシティ化、インターネット上の仮想世界への対応などソフトウェアのログデータの解析・検証などが求められる時代がくるものと考えています。

すでにデジタル時代の保険金請求業務では、スマートフォンからの写真画像だけでなく、監視カメラやドライブレコーダーなどの大容量の録画データ、貨物車に搭載されているデジタルタコグラフのデータなど多様化された根拠データを確認しなければなりません。
このデータ種類や数、大容量化が進めば進むほど、保険金請求業務の担当人数を増やさなければ対応することはできないと考えています。
すでに海外の保険会社は、前述の現在から将来の課題に対応するため、レガシーなコンテンツ管理から将来に向けた最適なコンテンツ管理への移行と保険業務システムとの統合にによる保険金請求業務プロセスの効率化に取り組んでいます。
課題解決へのチャレンジ
レガシーからオープンなアーキテクチャの採用
ゼロからソフトウェア開発を行う機能追加や変更するのでは、変化に素早く対応することは困難です。素早く対応するための代表的な対応方法は以下となります。
あらゆる働く環境に対応(リモートワーカーへの対応)
近年、一般的になってきたリモートワークによって、オフィスワーク前提の業務プロセスへの影響は大きいため対応策が求められています。
保険金請求業務においては請求申立者(社外)などとのコミュニケーションも必要なため、社内だけでなく外部環境にむけての対応も望まれます。
このような働く環境変化に対応する仕組みを考えなければなりません。
課題を整理すると
- 外部とのコミュニケーションツールとの連携
- どこからでもアクセスできるクラウドサービスを利用
への対応が必要になっていると考えています。
保険金請求業務のコンテンツ関連の作業効率化
前述のデータの種類と数、サイズの肥大化によって、保険金請求業務プロセスやシステム自体への対応が急務となっています。さらにIT環境においては複数の保存先(リポジトリ)への対応も必要となり、保険金請求業務の担当者の負担は増すばかりです。
課題を整理すると
- 複数リポジトリへの対応
- 保険金請求業務システムとコンテンツ管理との連携
- 多種多様なコンテンツ(ファイルや文書)と膨大なファイル数への対応
- 大きなサイズのコンテンツ(ファイルや文書)にも対応
への対応が必要になっていると考えています。
Alfresco(アルフレスコ)で問題を解決!
オープンな保険業務アプリケーションについて
保険業務システム側は当社では提供していないので具体的な解決方法は明言できませんが、例としてGuideWire(ガイドワイヤ)などを利用したり、すべてを変えるのは難しいという方はフロントアプリケーションをローコード / ノーコードの代表的な存在であるOutSystemsで開発して、既存システムは裏側にしたりなど、さまざまな実現方法があるかと思います。
さまざまなアプリケーションと連携するのであればiPaaSという分野の製品を活用するのも、ひとつの方法です。当社ではworakto(ワーカート)というiPaaS製品を提供しておりますのでご相談いただきたいと思います。
iPaaSと組み合わせてInsureMOという保険ビジネス専用のAPIプラットフォームを活用するのも有効性が期待できます。
ここでは「デジタル文書情報管理」「コンテンツ管理」「プロセス管理」の情報発信サイトですので、コンテンツ管理のオープン性の話ををさせていただきます。
コンテンツ管理分野でオープン性に優れている製品としては、Alfresco Content Servicesが一番最初に名前があがる製品かと思います。そのAlfrescoには、保険金請求業務向けの「Alfresco Claims Management」というアドオンが提供されています。
Alfrescoのオープン性とアドオンによって、以下のようなことが実現可能になります。

リモートワーク環境における齟齬のない円滑なコミュニケーション
保険金請求業務において関係者とのコミュニケーションは必要不可欠です。
近年、コミュニケーションにおいてはメールだけでなくTeamsやSlackなどのチャットツールでコミュニケーションを行うことも多くなってまいりました。また齟齬が発生しない工夫として保険金請求事案で取り扱うデータは、できるだけ複製を行わずにコミュニケーションを行うことをお勧めいたします。
Alfresco Claims Managementでは、メールでのコミュニケーションを支援するテンプレート機能や、アノテーション機能(コメント付与)、書類の確認を行うためのワークフローやDocuSign連携が提供されています。
メール以外のコミュニケーションとしては、オープンソースとして提供されるSlackやTeamsとの連携モジュールを利用したり、iPaaS製品によるSlackやTeamsなどを含めた、あらゆるコミュニケーションツールと連携する方法もあります。
メールテンプレートで的確に伝える
書類・動画へのコメントする
保険金請求業務のコンテンツ関連の作業効率化への対応
前述のとおり、保険金請求業務におけるコンテンツは多様性を増し、業務の生産性は低下し、管理もしにくくなっているのが現状です。
このような課題を解決するためにAlfresco Claims Managementは開発されました。
監視カメラやドライブレコーダー、スマートフォンなどの大きなサイズの動画データを再生、トラック編集を行い、トラックに対してコメントをしたり、スキャンされた書類に作図してコメントをしたりができます。
さまざまなファイルをPDFプレビューしたり編集できないPDFへ変換してルールや法令にもとづいた保管期限を設定したりができます。
複数リポジトリへの対応が必要な場合は、Alfresco Federation Servicesを追加すれば、BoxやGoogleドライブ、Office365やSharePoint、Salesforce、ServiceNowなどの約60種類のアプリケーションに保存されたコンテンツと連携ができます。

関連コンテンツ
Alfresco Content Services
様々な場所に保存されるデジタル文書情報を統合管理し、戦略的な文書情報管理プラットフォームとして活用できます。
Alfresco Federation Services
60種類以上のアプリケーションやクラウドサービスに保存されたコンテンツを統合管理します。
Alfresco Claims Management
対応が迫られる損害保険請求業務への急激な変化には、保険請求業務に特化した製品『Alfresco Claims Management』で解決します。
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Alfresco導入事例 - Build America Mutual社様
導入事例|米国の重要な債券保険会社であるBuild America Mutual社は、Alfrescoによってペーパーレスの実現、外部との安全な文書共有、契約承認のための監査対応ワークフローをAlfresco導入で実現しました。
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